意味の分からない授業に、訳の分からない言葉を続ける先生、文字に起こされた謎の呪文。
数学の授業とテストが終わった私はもう笑うしかない状況に陥っていた。頭のなかでぐるぐるまわる数式に呪われているような心地だった。
なにせ来週もテストはあるのだ。そして今日もテストに備えて授業を受けるのだ。
なのにほっとんど理解出来ない。これはヤバイ。焦りも加わってよけいに数学が最悪なものになっていく。そうなればよけい授業に身が入らなくなって、よけい、分からなくなっていくのは明白だ。
見事な負のスパイラルの完成だ。
「数学が嫌いになってきた。よし、好きになろう」
ということで、
負の印象が強い数学の固定概念を潰すことにした。
これで前向きな気持ちで自分から勉強に集中して数学もすらすら解けることになるだろう。
思えば中高生のころから数学は嫌いだった。
数式を見てもなんだこの暗号はと笑えるぐらいで、公式を使っても解けない問題に教科書が間違っているんじゃないかと思う。
社会人になってから勉強しなおしているいま、
残念なことに気持ちは変わらなかった。
2次関数?数列?ベクトル?微分積分?フィボナッチ数列????
分からなさ過ぎて笑えるのも変わらなかった。
とはいえ嫌いなままってなんだか勿体ないなと思うので、
まず、好きになってみることにした。
ちいさな自慢だが、私は好きになったものへの集中力は異常だ。
例えば、私はインターネットを愛しているのですが、ほぼ8時間ぶっ通しで見つめ合うなんて余裕だったりする。椅子から立ち上がるときといえば、よほどお腹がすいたときかトイレぐらいのものだ。
ちなみに、
1時間座り続けると寿命が22分短くなるらしい。短く、幸せに、悔いなく生きていこう。
──数学の話に戻る。
ということで、私は数学を好きになるために数学にまつわるものをいろいろと買ったり図書館で借りたり観てみた。
いや、面白いね。
いや、マジで楽しい。
そのなかでオススメを3点ピックアップ。
海外のFBIドラマというだけあって数学だけの話をしているわけではなく、数学者を基軸に話が進んでいきます。事件を解決する手段として数学を使っていきます。楽しい。雑学も学べるしFBIドラマとしても楽しめます。 そのなかでこの言葉がすごく好き。
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル(シーズン1第6話)
「数学は日常にあふれている。あるよ、そこらじゅうに。
――例えば、花びらの螺旋、どうなってると思う?
それぞれの列の花びらの数は、その前の2列の合計になる。これがフィボナッチ数列。
――ついでにいうと、フィボナッチ数列は隣り合う数の比率を出すと、およそ1.61803になる。
この数をギリシャ人は黄金比と呼んだ。
――数学は自然が話す言葉。自然が人とコミュニケーションをとる手段だ。
だから、数学がすべて。
思わず授業のフィボナッチ数列を勉強しなおしました。
確率や素数などいちどは聞いたことがあるものを例をつかって進んでいく物語は読み物としても楽しめる。
もちろん、数学と遠距離していた人には耳慣れない2次方程式や積分のことも書いてあって理解の助けになる。
式があって、こういう理屈があって、だから証明できる――丁寧に説明してくれるのだ。
ですが個人的になによりも楽しいのは、
数学者や数学の歴史をからめて進んでいく物語だ。
あたりまえに知られている公式を見つけるために尽力した数学者の背景や証明のための考え方は読んでいてワクワクする。私はひとつの物事にいろいろな解釈をしたり意味をもたせたりするのが好きですが、
仮説の証明や式の証明はだからこうなるという明確な答えがとても楽しい。
考える、そんな楽しさを味わえた本。
数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学 (著)大栗博司
数学とは、英語や日本語では表せないぐらいに正確に、物事を表現するために作られた言語だ。だから、数学がわかると、これまで言えなかったことが言える、これまで見えなかったことが見える、これまで考えたこともなかったことが考えられるようになる。
数学は、宗教や権威に頼らず、万人に受け入れられた論理だけを使って、真実を見いだす方法です。上から押しつけられた結論を受け入れるのではなく、一人ひとりが自分の頭で自由に考え判断する。
コンピューターと話すための言葉であるプログラミング言語と一緒に、
みるものを表現して証明する言葉を学んでいきたい。
数学とは縁遠い著者が数学者と話しながら数学の世界を知っていく、そんな小説を読み終わった。
これが、凄く面白い。
数学に苦手意識をもっている私が「好きになってみよう」と思って探したなにかはこれだった、そう思う。
数学者がみてきたもの追い求めたもの、時代を超えて人を繋ぐ数学の世界を見ることができる。
数学の教科書をみてうんざりしていた数式が何年もの情熱をかけて証明されたもので、
数式を丸暗記してテストの1時間問題を解くだけだった数学は世界を表現する手段だった。
なんだか、それが凄く、ワクワクする。
図書館でも借りられます。
是非、読んでほしいと思った。
好きな言葉がたくさんある。
世にも美しき数学者達の日常 (著)二宮敦人
「問題を作る、というのはいいことだと思いますよ。受け身で、誰かが作った問題を解かされる、というのはあまり楽しくないですよね――(省略)――問題を作るというのをやってみると、だんだん面白くなるんじゃないかと思います――(省略)――作家で言うなら、タイトルだけ決めて小説を書くようなものでしょうか」
数学はこれを「解け!」の積み重ねではなかった。
「なぜ?」の積み重ねだった。
「なぜ?」には正解がない。素朴で個人的な疑問を、好きなだけ突き詰めていいのである。
「全部読んで全部理解するには一年くらいかかると思うんだけど、僕の頭の中には非常にシンプルに入っていて。いつでも、何も見なくても、全部構築できます。完全に理解してしまうとめちゃくちゃ簡単なんです」
本当に理解するとはそういうことなのかもしれない。数学に限らず、僕たちは普段どれくらい”何か”を理解しているだろうか。
数学の答えが一つなのは、人に押しつけるためじゃない。
価値観の異なる存在同士が、それでも何か一つ、共通の答えを見いだすために編み出した技法が、数学だからなのだ。
是非、読んで確かめてほしい。
数学を意味が分からなくてつまらないとかただ疲れるだけのものなんて固定概念があった私のような人だったら、違う見え方を知ることができる本です。
さて、おそらく気になることだろうから最後に言葉を付け加えておく。
これらの素敵なものをとおして私は、
数学が興味深くてワクワクする好ましいものになった。
けれど、まだ問題は解けない。
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