【途切れた物語】014 「イグリティアラ様ー!またここに来ていたんですねー!!あんなに1人で出歩かないでくださいってお願いしましたのに!」 「ごめんなさいね。つい」 「ついじゃありません!」 イメラは頬を膨らませる侍女に...

【途切れた物語】013 ある女がいた。 青々と茂る野に腰掛けている女は両手を地にもたれるようにつけていて、穏やかに動く雲が浮かぶ空を見上げていた。人目のないことをいいことに足を開いていて、シミひとつないすらりとした足がド...

【途切れた物語】011 明かりを差したのは君でした 永遠にも感じられた時間のなか 光を与えてくれた君は闇に染まった手を見て泣いていた 誤って見つけた道を正しく正しいを誤りに 世界は君に いきましょういきましょう あの場所...

【途切れた物語】10 「昔話をしようか」 それは心のどこかで望んでいた提案だった。けれどなぜか急に喉の渇きを覚える。聞きたい、けれど聞きたくないような……。沈黙のあと、イメラは頷いてその場に座り込む。 「争いに明け暮れた...

【途切れた物語】09 からりと晴れた太陽の光が眩しい。 イメラは目を細めながら空を見上げる。淡い水色に色を足すように綿飴のような白いふわふわした雲が薄く線をひきながら浮かんでいる。すっかり秋の空だ。 ショールを羽織って少...

【途切れた物語】閑話04イメラ、村長に許しを請う 村長とイメラとロイのお話 「なんじゃい騒がしいのう」 「本当にねえ」 椅子に腰掛けた老夫婦は風が運んできた耳慣れぬ騒々しい声に首を傾げる。はて、おかしい。……もしかすると...

【途切れた物語】08 目覚めて感じた肌寒い空気と窓を叩く音にイメラはぼんやりとする頭を振ってベッドから起きる。 雨だ。窓から見える外はどんよりとした灰色の雲に覆われていて、ざあざあと雨が鳴いている。 「朝ごはん、朝ごはん...

【途切れた物語】閑話03女神さまと少年 イメラとリヒトのお話 僕の村は小さい。 村外れの丘の上にあるロイ兄ちゃんの家から村の入り口までセリナとシーラで歩いてみたけど、時間はそんなにかからなかった。確か20分?ぐらいだった...

【途切れた物語】07 辺りは常に暗く不気味な獣の鳴き声が聞こえる森だった。 今朝森に入ってからずっと聞こえる声は侵入者を警戒しているのか、それとも警告でもしているのかいつまでも止む気配が無い。日光を遮断してしまうほど生い...

【途切れた物語】閑話02ロイとランダーの好物 イメラとランダーのお話 ランダーは村のすぐ近くにある川にいた。 大小様々な石が転がり足場は頼りないが、ここには座るのにもちょうどいい岩も転がっていて休憩にはもってこいの場所だ...

【途切れた物語】06 称えようか称えようか 光ある世界 花は咲き風は踊り葉は香る いきましょういきましょう あの場所へ 愛ある世界 笑いし人は愛しい人 貴方も共に いきましょういきましょう あの場所へ 無知なる世界 扉を...

【途切れた物語】05.世界の姿 「イグ、可愛い子」 優しい声色は眼下にある子供に向けられていた。波打つ金の髪をその手に撫でながら女はまた同じことを言う。 「いい子だ」 そう言って男は子供の頭を撫でて満足そうな顔をする。 ...

【途切れた物語】閑話01可愛い夫婦 ロイとイメラが一緒に住むことになった最初の日。 「おい!おま、危ない!危ない!包丁を俺に向けるな!」 「ええ?だったら料理中に話しかけないでよ」 「手!切る!だーーーっ、危ねえ……。も...

描かれなかった物語04話 「どんな人がここに来るんだろうね」 「一緒に見ようよ」 「駄目、私は無理だよ。……でもあなたは会える。ねえ、こういうところいっぱい作ってみたら?案外楽しいかもしれないよ」 「──なんでだろうな。案外楽しいけど、寂しいんだ。 ……俺は軌跡をなぞるたび楽しくて寂しくなる。お前の言ってた通りだったよ」 ...

描かれなかった物語03話 私は自由に色んなところに行きたかっただけなの。 一生閉じ込められる生活は嫌だった。 私なんて形だけなら私じゃなくてもいいはずなのに、なんで私じゃなきゃ駄目なの。 私、恋がしたかった。 ──……私はもう恋なんてしないわ。 ...

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